お知らせ

プログラムレポート ~駒場キャンパスでの実験体験(第12期)~

2014年11月5日

EMP第12期では、2014年11月1日に東京大学教養学部がある駒場キャンパスで実験をしました。EMPプログラムの早期に理系の講義にも興味を持っていただけるよう、大学1-2年生がするような実験体験を組み入れています。

130年以上の歴史がある駒場キャンパス
130年以上の歴史がある駒場キャンパス
実験室がある「理想の教育棟」
実験室がある「理想の教育棟」


実験に先立ち、「『測る』を究める-測定の基本から超精密測定最前線まで-」と題して、総合文化研究科教授、久我隆弘先生に講義をしていただきました。 この講義では、簡単な実験、測定を体験することで、"測る"ことの基本をまず学び、さらに、その"測った"結果の信頼性を客観的に解釈し、統計学的に評価する手法を学びました。

講義の後は、「不確かさ」を実感するために、実際に「測って」みるという実験に挑戦しました。「放射線を測る」という実験と「1の目の出る確率」というサイコロを使った実験です。

放射線測定では、久我先生と総合文化研究科准教授、鳥井寿夫先生の指導の下、ガイガー・ミューラー管を用いて放射線源からの放射線の測定を行いました。「測定時間が長いほど正確な測定ができる」ということについて、実際の測定と「不確かさ」の計算を行うことによって実感することができました。

また、霧箱を利用してα線の飛跡を直接観察するという体験もしました。普通では目にすることができない放射線ですが、飛行機雲のようにランダムに発生する放射線をはっきりととらえることができました。

ガイガー・ミューラー管で放射線量を測定
ガイガー・ミューラー管で放射線量を測定
鳥井先生の指導の下、体窒素を霧箱へ移し替える作業
鳥井先生の指導の下、
液体窒素を霧箱へ移し替える作業
霧箱で観察されたα線
霧箱で観察されたα線


サイコロの実験では「理論と測定結果が一致しない場合、測定が信頼できるのであれば理論に間違いがある」という講義の内容を実感することもできました。

サイコロを使った実験
サイコロを使った実験
サイコロ実験の結果について解説する久我教授
サイコロ実験の結果について解説する久我教授


実験の後、久我教授より「『測る』を究める―超精密測定最前線」の講義がありました。 実験・測定結果を振り返りながら、"測る"ことの基本を確認し、その"測った"結果の信頼性を客観的に解釈し、統計学的に評価する手法について学びました。また、現在もっとも高い信頼度で測定が行われている、時間・周波数標準の研究最前線についても紹介いただきました。

理論と実験の両輪で発展してきた物理学の理解にあたって、自分で確かめるということ、なんでも客観的に判断することの重要性を体感することができた大変有意義な一日となりました。

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