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プログラムレポート ~生産技術研究所見学(第8期)~

2013年1月25日

第8期プログラムでは1月18日、駒場リサーチキャンパスにある東京大学生産技術研究所の施設見学を行いました。
生産技術研究所は、1949年の創設以来、60年以上にわたり 一貫して工学のほぼ全領域を広くカバーする研究教育活動と「生産技術」の名前の通り、産学連携の活動を展開してきたユニークな研究所です。5大研究部門と11センターに教職員、大学院生、研究員など合わせて約2000人が在籍し、大学に附置された研究所としては日本最大規模の研究所です。

見学に先立ち、生産技術研究所所長の中埜良昭教授から生産技術研究所の概要説明があり、その後、野城智也教授から「情報と建築」、浦 環 教授からは「深海を探る海中ロボット」というテーマで講義がありました。

生産技術研究所の研究棟
生産技術研究所の研究棟
雪の残るユニバーシティ広場。奥に13号館の時計塔が見える
雪の残るユニバーシティ広場。奥に13号館の時計塔が見える

昼食会の後は、3つの班に分かれて、喜連川(きつれがわ)優教授、藤井輝夫教授、藤田博之教授、巻 俊宏准教授の各研究室を見学しました。
喜連川・豊田研究室では、超大規模データベース技術を基盤としてウェブマイニングをはじめとするデータ工学の課題に対し、システムソフトウェア、先進アプリケーション、ハードウエア、アルゴリズムにわたる あらゆる観点から研究を進めています。ブログやツイッターに書き込まれたキーワードを解析して話題の発展および伝播経路をたどれる情報地図を作成したり、実社会の出来事に対するネット上の言及を自然言語処理を用いて要約するシステムを構築しています。言語学や社会学、マーケティング、広報効果の視点からも、注目される研究分野となっています。

藤田・年吉研究室では、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)という、1ミリメートル程度の微小な機械構造を半導体プロセス等を用いて製作し、それをさまざまな方面に応用する研究をしています。MEMSの技術を基に、バイオ技術との融合、ナノサイエンスの計測装置、産業界と連携して特定の用途に役立つ応用システムの実現を指向した研究も行っています。今回の見学では、MEMS技術を用いたオールインワンポータブルOCT(Optical Coherence Tomography, 光干渉画像法)システム等のデモを見学しました。

多メディアウェブ解析システムを使いツイッターでの情報の広がりを解説する豊田正史准教授
多メディアウェブ解析システムを使い
ツイッターでの情報の広がりを解説する豊田正史准教授
機器の説明をする年吉 洋教授
機器の説明をする年吉 洋教授

藤井研究室では、MEMS技術などの微細加工技術を利用して、微小流路や反応容器を作成し、バイオ研究や化学工学へ応用するためのデバイスである「マイクロ流体デバイス」に関する研究を進めています。 その研究内容は「マイクロ・ナノ流体デバイスの基礎技術」「細胞培養に関連するセル・エンジニアリングデバイスの開発」「深海調査のための現場計測システム」「分子エンジニアリングデバイスに関する研究」と基礎技術から応用まで広い範囲をカバーして研究を展開しています。今回の見学では、マイクロ流体デバイスの医療・バイオ応用の一例として、藤井研究室で開発しているマイクロ流体デバイスを用いた多能性幹細胞の分化制御技術についての紹介を受け、デバイスでの実験に用いられるiPS細胞とiPS細胞から分化させた心筋細胞を蛍光顕微鏡で観察するなどの体験をしました。

巻研究室では、最先端のロボット工学と情報処理技術を駆使して、新たな海中海底探査システムの提案、特に、AUV (Autonomous Underwater Vehicle, 自律型海中ロボット)をはじめとする複数の自律プラットフォームの連携により、船舶をベースとするこれまでの観測手法では考えられなかったような広範囲・高精度・長期間の海底観測を可能とするシステムの実現を目指しています。自律型海中ロボット「Tri-TON(トライトン)」を試験水槽に入れた実演では、コンピュータからの指示が届かない水中で、ロボット自らが状況を判断して動く様子を間近で見ることができました。

金田祥平 特任助教の指導のもと、培養中のiPS細胞を蛍光顕微鏡で観察
金田祥平 特任助教の指導のもと
培養中のiPS細胞を蛍光顕微鏡で観察
自律型海中ロボットの解説をする巻准教授
自律型海中ロボット「Tri-TON」の解説をする巻准教授

幅広い分野にまたがる研究室を訪問したことで最先端の実践技術に触れ、産学連携の最前線を体感することができた大変有意義な一日となりました。

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