兵器産業・武器移転史フォーラムの呼び掛け


 兵器の生産・取引や武器移転は、近現代の社会に大きな比重を占めているにもかかわらず、あまり知られていない領域といっていいでしょう。それは歴史研究の領域においても例外ではありません。むろん、史料的な制約が大きいなどの理由もあるのですが、歴史研究者自身が軍事や兵器を特殊な世界に閉じ込めてきたがゆえに日陰の存在となっているという面もありそうです。

 このフォーラムは、兵器産業や武器移転現象に歴史研究者として正当な光を当てることを目的とします。それは決して成熟した研究領域ではありませんし、確立した方法があるわけでもありません。さまざまな理由から兵器産業史、武器移転史、広くは軍事史に関心をもつ研究者が集い、正確に事実を確めながら、軍事や兵器が過去の経済・社会・国家・国際関係等にもった意味を明らかにし、歴史研究の新しい可能性を探ろうというのが、このフォーラムへの呼び掛けの趣旨です。広く参加されることを期待します。

 呼び掛け人としては、当面、次のような活動を考えています。@まず、年間1〜2回程度は研究会を開催しましょう。政治経済学・経済史学会や関連学会の大会日程に近接して開けば、比較的少ない負担で全国各地の研究者が集まれるでしょう。Aメイリング・リストを利用して(あるいはインターネット上に無料の掲示板を開設して)日常的に情報交換や討論もできます。この分野の研究者には、ときに「変わり者」と思われながらも孤独に研究を続けている方がいるのではないかと拝察しますが、こうしたフォーラムを設けてメイル等の手段を活用すれば、一人一人の研究の社会性(sociability)は格段に高まるでしょう。B政治経済学・経済史学会大会でパネルを開催して、このフォーラムの研究成果を披露するとともに、学会内外の関心のある方々と開かれた討論をしましょう。

 このフォーラムは基本的にとても自由な集まりです。参加することによって特別の義務が発生することはありません。むろん、積極的、主体的な参加は大歓迎です。また、これは政治経済学・経済史学会のフォーラム(テーマ別専門部会)として設置されますが、学会に対して特別な義務はなく、学会会員以外の方の参加も歓迎されます。フォーラムの宣伝や案内のために学会誌『歴史と経済』や学会ホームページを利用することができ、また、大会の際(日曜日昼休み)にフォーラム打ち合わせ用の小部屋を用意していただくことができます。学会で定めた「フォーラムの設置について」は学会ホームページで閲覧することができます。

 兵器産業・武器移転史フォーラムへの参加を希望される方は、以下の呼び掛け人宛てに、メイル・アドレス(長いメイルや添付ファイルを受け取れるもの)をお知らせください。また、お問い合わせや、ご意見・ご要望・ご提案なども呼び掛け人(当面のフォーラム世話人)までお伝えください。



 2005年10月29日
                        呼び掛け人:小野塚 知 二(東京大学)
                              永 岑 三千輝(横浜市立大学)
                              奈 倉 文 二(獨協大学)
                              西 川 純 子(獨協大学名誉教授)
                              横 井 勝 彦(明治大学)
 お問い合わせや参加希望は、小野塚宛てメイルまたは電話(03-5841-5515)でお寄せください。